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通夜の原型は、遺体を悪霊や獣から守るために火を燃やして一夜を明かしたことにあるとされます。その原型が遺族や近親者が故人を偲び、枕元に集まって一夜を明かすという形で継承されてきました。現在でも、故人を布団に寝かせたまま通夜を営む地域があります。

納棺とは

枕経が終わると、遺体を棺に納めます。これを「納棺」といいます。まず、遺体を清め死装束をつけます。遺体を棺に納めたら故人の愛用品を棺の中に入れます。地方によっては飢えに苦しまないようにと、枕だんごや一膳飯を入れるところもあります。すべてを納めたら、白菊などの生花で遺体を節り棺に蓋をします。この時釘は打たず、「七条袈裟」という棺掛けで被います。棺は北枕、あるいは西枕で通夜の営まれる部屋に運びます。

納棺の心得  

◆一重ぶすま

棺の底に敷く三尺三幅の白木綿のことです。これは葬儀社が用意しますが、白い薄手の布団でもかまいません。この上に遺体を納めます。  

◆死装束

死出の旅に出るということで旅僧の姿を模したものです。遺体に死装束をつけますが、死後硬直が始まっていますから、無理をせずつけるべきところに置くだけでも十分です。

[死装束]

@頭巾 A杖 B脚絆 C数珠 D経かたびら E手甲 Fずだ袋 Gわらじ H白たび

納棺衣裳

納棺の前に  

◆末期の水

臨終を告げられると、近親者が血繹の近い川副こ「末期の水」をとります。死者が生き返ることを願う気持ちと、あの世で渇きに苦しめられないようにとの願いを込めた風習とされています。 実際に水を飲むわけではありませんから、□の中に水を入れず、唇をぬらす程度にします。最近では、臨終間際よりも、亡くなってから後の湯灌の時や納棺の前などに含ませることが多いようです。

※本来は仏式の儀式ですが、現在では宗教を問わず行われています。ただし、カトリックではあまり行われていません。  

末期の水

◆湯灌

死者の最後の姿を清らかにするために遺体を清めます。かつては「逆さ水(たらいに先に水を入れ、後 から湯を注いでつくるぬるま湯)で全身を洗い清めました。死後硬直が始まると処置がしにくくなりま すので、できるだけ手早く行うようにします。死者に対する最後の世話ですから、できるだけ遺族も手伝うようにしたいものです。  

◆死化粧

遺体を清める処置が終わったら、髪を整え爪が伸びていたら切りそろえ、男性ならひげをそり、女性は薄化粧をします。頬がこけていれば含み綿をするのも死者への心遣いです。遺髪や遺爪を望む時は、この際切っておきます。  

◆最後に

死者の硬直が進み、ロが開いたり合掌の組み手がゆるんだりしますので形を整えて最後のお別れをできるだけきれいな印象で残すことができるようにしたいものです。

納棺の風習

納棺に際しても、地方によりいろいろな風習が見られます。
秋田県では通常、通夜に先立って火葬が行われますので、遺体は湯灌後に納棺されます。この時、棺の中に、蝋燭、マッチ、米などがよく入れられます。なお、通夜の前に火葬をする地域は、青森県、茨城県にもあります。
宮城県では、ずだ袋に小銭を入れる地域があります。この小銭は火葬の後に拾い、お守りにするということです。
沖縄県では、遺体の膝を少し立てて納棺します。沖縄は枕飾りにも特徴があり、豚の三枚肉を供えます。  

各宗派の納棺(神式・キリスト教式)

神式では、納棺の儀を行います。遺体を棺に納める場合には、正式に神官が立ち会いますが、最近では身内の者が行い、葬儀社の人が手伝うのが一般的になっています。遺体を納めて周りを生花で飾ったら、白い布で覆います。通夜を行う部屋へ移したら祭壇の中央に安置します。祭壇には遺影と供物を供えて、喪主から血縁の深い順にニ礼・二拍手・一拝を行います。この際の拍手はしのび手にします。また神式では、納棺から出棺までの毎日柩前日供の儀を行います。毎日朝夕の2回、故人の好物を供え、喪主や遺族が礼拝するものです。故人の使っていた食器にははしを添えて祀ります。

キリスト教式の場合、カトリックとプロテスタントで違いがあります。カトリックの場合は、神父が納棺の言葉を捧げ、一同が聖歌を斉唱し祈りを捧げたら、近親者の手で納棺します。遺体の両手は胸で組み合わせ、故人が生前愛用していたロザリオ(仏式の数珠にあたるもの)を持たせます。遺体の周りは生花で飾り、棺には蓋をして黒い布で覆います。棺の上には十字架をのせます。

プロテスタントの場合は、牧師に祈りを捧げてもらい、その間に近親者の手で遺体を棺に納めます。遺体の周りは白い菊やカーネーションなどの生花を釣り、ふたをして黒布で覆い、「前夜式」を行う部屋に安置します。棺の上には十字架をのせます。黒い布で覆ったか机を用意し遺影と花を供えたら、一同で賛美歌を合掌しその後聖書朗読、祈り、牧師の納棺の辞、賛美歌合唱、そして最後に祈りを捧げて納棺の儀は終わります。  

棺を選ぶ時

通常は葬儀業者に支払う費用に応じて棺の種類が決まりますので、棺を選ぶ必要はありませんが、棺だけを特別に注文することはできます。棺の材質は最高級のひのき材をはじめ、もみ材、ペニア合板などさまざまです。豪華版になると総鎌倉彫りや金箔をあしらったものなどもあるほどです。
内装もランクによっていろいろで、普通のものは白布の肉張りを使い、最高級のものはキルティングがほどこされています。また、ふたにもいろんな形があり、納棺後も故人の顔が見える小窓付きのものなどがあります。 サイズは火葬場のかまの大きさに合うよう、最大寸法が決まっています。
なお、キリスト教式の棺の場合、形は仏式や神式と同じものですが、十字架の印をほどこした黒布で棺を覆うのが普通です。棺の上の方が真ん中から開く棺もあります。